みくりや染織


【みくりや染織ができるまで】

《織り》
絹糸、綿糸、麻糸、毛糸を藍液に浸染する回数で色の濃淡糸を作ります。藍以外の草木染料でも様々な色糸を作ります。藍色糸を

基本にして、紬着尺やタペストリー、服地など、数センチ巾から1メートル巾までの織物を―手織機で織り上げます。

《長板中形》
7メートル程の板に12メートルの生地を貼って、型紙の上から糊をヘラで糊置きします。糊が乾燥したら藍甕に浸して染め上げます。長い板と中形の型紙を使うので長板中形染めといいます。主な用途は浴衣です。小紋や訪問着などにもします。

《染め》
「型染め」大きな型紙の上から糊をヘラで糊置きして、のれんや法被などを染めます。「筒描き」円錐形の筒に糊を入れ、手で絞り出すように糊護きをして、タペストリーや風呂敷などを染めます。「絞り染め」糸などを使い、布をいろいろな方法で絞って浸し染めします。

《型紙》
小原屋初代から使われてきた型紙が千枚以上保管されています。型紙は、和紙に柿渋を塗った物で、使い続けるといずれ破れてしまうため、彫り直しをします。伝統の柄を彫り直すと共に、現代の柄も新しく彫ります。根気と熟練の技を要します。

【天然藍へのこだわり】
《天然阿波藍灰汁醗酵建》
日本の藍は、奈良時代以前から使われてきた天然染料のひとつですが、近年になって合成藍や化学藍などの阿波藍以外の染料の台頭により、すくも藍を使った正藍染めを本業とする染物屋が少なくなってしまいました。私共の工房では天然阿波藍だけを使い、土間に埋め込んだ甕に木灰から作った灰汁、石灰、ふすま、日本酒で仕込み醗酵させた藍液に、糸や布を数回から時には数十回浸して染める、江戸時代からの染色技法を今に受け継ぐ紺屋です。

【労力と時間】
小原屋の正藍染は江戸時代中期からの方法を継承し、一 年を通して染められています。濡紺に染めるのに40回から50回以上染め重ねています。 織の工程は15工程以上あり、染めから織上がりまでが全て手作業で、作務衣一着分の糸染めから仕上げまでにかかる日数はニヶ月を要します。大変な手間と時間と労力が必要です。 よって、大量生産が出来ません。 藍液に何度も浸して染めることにより、糸が五割あるいは それ以上に強く丈夫になるのです。